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今までに無い債務整理

1回の募集人員は1業種1名の20名である。
同一業種は一緒になるとお互いに率直になれなくなる。 講義(会議)は月1回で、合宿もある。
毎回申込みが多く、断るのに苦労している。 2年先の予約も入っている。

授業は学校スタイルの「教える」という講義ではなく自分達の問題」を教材として、講師と仲間とディスカッションしながら「学び合う」という態度である。 毎回、生徒は自分達の会社の「経営問題」を事実に基づいて討論している息子が卒業してすっかり変わった」とお礼にくる中小企業のオーナーもいる。
これで「ビジネススクール」に息子を参加させた父親も、息子も間違いなく「あさひファン」となってくれる。 受講者の同窓会も時々聞いて、フォローにも気を遣っている。
研究所と親銀行との協力がなければビジネススクール」の成功も画餅だ。 あさひ銀行では研究所との協力作業には力を入れている。
銀行側の窓口は「法人部」や「個人部」であり、ここの指示をもとに全支店が行動する。 顧客や見込客に研究所やセミナーを紹介する。
ビジネススクールの終了式には頭取や担当役員、部店長が必ず出席する。 合宿にも陣中見舞に駆けつける。
中堅、中小企業のオーナーとの関係は、このように緊密になっていしこれを上手にマーケティングで企業を囲いこんでいく。 あさひ銀行のマーケティング方法はもともと定評がある。
次々と中小企業向けの新しい事務合理化アイデアや新商品を企業に提供して顧客化をすすめる。 最近開発した「手形レスシステム」の推進などもその1つである。
あさひ銀行の資産証券部には「金融エンジニアリング室」というデリパティブ専門のチームがある。 そこでは朝から晩までデリパテイブ金融商品を“製作”しており、これが中小企業や個人資産家に好評だ、と言っている。
顧客の意向などを探ってくるのは部屈である。 個人投資家用は「リテール企画部」の意見も入れて“加工”し、大口顧客の育成に取り組んでいる。

これらを背景に、あさひ銀行は「個人財務相談センター」を全国15ヵ所に設置、ファイナンシャルプランナーを大都市支店に配置し、本格的にプライベートバンキングを着々と組み立てている。 特化型銀行を目指す最近、金融界のトップの発言の中に「プライベートバンキング」についての、あるいは「プライベートバンキング」そのものズバリの発言が目につく。
一般的に慎重な銀行のトップが言及するということは、それだけ「プライベートバンキング」が銀行経営者の関心をとらえているということであろう。 D銀行は、1995年9月のニューヨーク支店の「巨額損失事件」で首脳陣は責任をとって交代し、海外店閉鎖など身を縮め、住友銀行と合併かと噂されるような深刻な状況であった。
ところが、ついこの間まで内向き発言が多かった同銀行の海保頭取から「量の時代は終り、これからは質の時代だ。 横並びはもうやらない。
D銀行の強い部分を伸ばし、“特化型銀行”を目指す。 信託機能を持つ“プライベートバンキング的”な強みとアジアでの業務展開には自信があるし、これをもっとしっかりやる」というような、積極的な発言が飛び出すようになった。
D銀行の強みは、都銀で唯一の信託兼営を貫いてきたことにある。 この強みを生かし、信託部門では「遺言信託」に力を入れ、3兆円獲得を目標に遭進するという。
これはDでは昨年来、遺言信託が急激に増えている実績があるからだ。 遺言信託を個人向けの中核商品にする考えだ。
遺言業務はプライベートバンクの重要な仕事である。 ブライベートバンキングの中で資産運用と並んで重要なのは「相続」のコンサルティングである。
いつの時代でも事業を行う人が一番気にしているのは、その事業を子供や一族がちゃんと引継いでくれるか、事業が継続できるか、ということである。 経済環境の変化や少子化がすすみ、事業の継承はますますむずかしい。

この傾向はヨーロッパにおいても同じだ。 家族企業と言われるような中小企業では、事業の継承は非常にむずかしくなっている。
イギリスのグラスゴー・カレドニア大学の調査では、事業の継承において第一世代から第二世代への移行の成功率は30%である。 第三世代への移行では14%になるという。
いかに組織の継承がむずかしいか。 事業や組織の継承には贈与や相続など資産の移転が伴う。
ここにコンサルタント業務の参入、支援が必要になる。 遺言信託は信託銀行の代表的な信託業務であり、今後、日本では人口の老齢化がすすむ中で、信託銀行がプライベートバンキングを推進する場合の独占的かつ最強の武器となろう。
D銀行は97年4月にプライベートバンキング部を大阪本店に開設した。 初代部長は取締役である。
続いて東京にもつくった。 海保頭取の意気込みが分かる。
ここに所属する「財務コンサルタント」を使って、個人の富裕層を狙ったコンサルタント業務を強化する。 「財務コンサルタント」は東京・大阪で計100人、不動産鑑定士や税理士が15人もいる強力な陣容である。
1人で平均3〜4営業店を担当し、各店を巡回し相談会を開いたり、営業店の渉外者やテラーの教育に当たるが、一番重要なのは直接、富裕顧客を個別訪問し、資産の運用管理の相談にのることである。 日本的なプライベートパンカーと言えるだろう。

D銀行がこれら財産コンサルタントを通して、今後推進しようとしているのが「遺言信託」である。 D銀行は信託併営なので、支店数も都市銀行よりは少ないが、信託専業銀行の平均50〜60店よりはるかに多く、圏内だけで関西を中心とした200店を超える強力なネットワークが武器になっている。
遺言信託でも信託専業行を含む8行の中では断然強く、96年9月末で遺言書保管残高は4280件であったものが、97年3月には前年同月比18。 3%も増え4479件になった。
これを2001年3月には1万件、残高3兆円にするという目標だ。 遺言信託で富裕層のメインバンクに遺言信託は信託銀行が遺言書を保管し、遺言者の死亡後に遺言の執行、相続財産の整理を代行する業務である。
銀行の手数料は最初に遺言書を預かった時点で5万円、その後1年間6000円の保管料しか入らないが、遺言の執行時には相続財産に応じて0。 5%から2。
0%の執行報酬が入る。 例えば、相続財産3億円の場合、375万円の執行報酬が入る。
しかし、悩みもある。 遺言執行時に遺族の間で遺産をめぐってトラブルが起き、銀行がそれに巻き込まれやすい、という。
遺言書作成では、遺言を託する人が自分の指定した相続人にある程度、自由に財産を配分できる。 遺言書を開いてみたら、期待と大違いの内容だった、などのケースは身内のケンカになりやすい。

聞に入る銀行の担当者も大変だ。 確かに遺言信託のビジネスは時間がかかる、あまり効率の良い仕事とは言えないが、執行後、相続不動産の処分、資産運用など取引が拡がる可能性が高い。
最近は遺言書にも一般の理解がすすみ、円滑な相続のために遺言信託を使うという動きが拡がっている。 信託銀行にとっては顧客の資産全体を把握でき、預金や不動産の有効活用に伴う融資など、付随的な取引の拡大につながる、という利点もある。
遺言信託により、富裕層の資産管理面からメーンバンク化を促進する考えである。
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